フィルター自動お掃除機能とプラズマイオンを推薦しません

ハウスクリーニングの中で,エアコンクリーニングも大きな収入源になります。ですから,フィルターお掃除機能が付いたエアコンが増えれば,ハウスクリーニングやさんの打撃になるかもと思われるかもしれません。エアコン洗浄スプレーなども,1万円近いエアコンクリーニングが千円しないスプレーで代用できればそうじやさん上がったりと思われることでしょう。

なるべく少ない出費で十分の効果を得たいというのは自然な気持ちで,僕などもかなりその傾向が強いです。DIY大好きですし,業界の常識(実は非常識)がネットの力で覆されていくのを痛快に思っています。話がそれるので題名だけにしますが,湿潤療法や糖質制限は,医療の革命に近いと思っています。

話を戻して…フィルター自動お掃除もエアコンスプレーも,さらにはプラズマイオンも,エアコンクリーニングの現場での経験を通して恐れるに足りず,というよりメーカーの良心を疑いたくなる気持ちで接しています。

メーカーにはどうかフィルターお掃除機能を廃止してもらいたい,お客様には,イメージに惑わされて高くて悪い商品を買わないでほしいと思っています。プラズマイオンも同様です。

昨年11月にエアコンクリーニングさせてもらった宮原町T様邸。午後から2台ご希望でしたが,もう一台がシャープフィルター自動お掃除機能付きでしたので,年が明けて1日余裕のある日に呼んで下さいとお話ししてありました。シャープはスタンダードエアコンでも分解しにくいのに,フィルターお掃除機能が付くと分解しにくさが2乗という感じです。

もちろんメーカーも年々改良していますので,シャープについても新しくなるほど分解しやすいとされています。型式のシールを撮影していましたので,検索してみました。AY-Z22VX-W 2010年製。

ハウスクリーニング師匠のページがヒットします。ハウスクリーニングログ

もちろんハウスクリーニング研究会でもシェアされている情報を調査しておきます。ふむふむ。

そんなわけで,本日当店としては初めて,シャープフィルター自動お掃除機能付きエアコンを洗ってまいりました。

まずはこの機種についてのメーカーの宣伝を切り取ってお見せします。
出典 http://www.sharp.co.jp/aircon/product/zvx/

高濃度プラズマクラスターについての宣伝

アレルゲンを分解し,カビを防ぐというイメージをお感じになることでしょう。ですが,これはシャープに限ったことではなく,プラズマイオン発生装置の周囲がカビています。また,フィルター自動お掃除機能が付いていても,エアコン内部はシンプルなエアコンと同様に汚れますしカビが発生しています。

言いたいことはこうです。研究所での試験結果や,理論は山ほど蓄積されているでしょう。でも,現実にホコリを防ぐこともカビを抑制することも,ニオイを抑えることもできていないのです。現実を直視してください!

午前9時にTさん宅に到着して,まずは試運転。一通り動作確認し,外の換気口も確認します。分解を始めたのが9時20分。この機種は,化粧板が「がばっ」といっぺんに外れます。その中になにやらいっぱい仕込んであります。僕にとってはほぼ不要な機能です。(かっこいい電光表示と,でかいルーバーが上開き下開きのどちらもできるように作ってあります。シャープ冷蔵庫の左右どちらも開くのは好きなんですが。)

化粧板を外して分解する

化粧板の次は,中ルーバーで,これにはその「高濃度プラズマクラスター発生装置」が仕込んであります。まさに仕込んであるという感じで,稼働する羽の中にこんなに埋め込むなんてどうかしています。それに効果があるならまだしも,発生装置の周りがカビているから笑えます。そしてフィルターお掃除機能。洗いたい熱交換器に覆いかかぶさって妨害し,カビていて,めったやたらに基盤とモーターと感知スイッチがはめ込んであります。

お手入れ不要にするための機能自体が,メンテナンスを妨害しているうえ,その機械自体がお手入れ必要という矛盾。簡単に洗えるものならいいけど,洗えないものが複雑に絡み合って付属しています。

プラズマクラスター発生装置とフィルターお掃除ロボット

これってどうですかという2枚。フィルター自動お掃除機能のホコリ排出部が途中で目詰まりしている様子,そして3年使えばこんな感じというエアコン内部。寝室利用でホコリが多い環境というのはありますが,スタンダードのエアコンと大差ありません。これはいい方で,場合によってはスタンダードより汚れていることもあるんです。

フィルター自動お掃除エアコンも必ず汚れます

そんなわけで,ファンやモーターまで外して室内機が洗える状態になったのが11時20分。分解に2時間かかりました。分解が済めば洗うのは早いです。濡らしてはいけないものが残っていないので,洗剤を入れるときからガンガン高圧洗浄です。化粧板から始めて,外されたパーツは外で地道に弟が洗って乾かします。

熱交換器と外したパーツの洗浄前後

Tさんのお話では,昨晩も暑かったので,子どもたちが「エアコンをつけてほしい」と言ったそうですが,「クリーニングするまで待って」と我慢されたとか。

上の本来のエアコンクリーニングのほかに,フィルターお掃除ロボットやプラズマクラスター発生ルーバー分解クリーニングして組み立てます。

お掃除ロボットやプラズマクラスター発生装置もお手入れ

こういう細かいものを分解して洗い,復元するので,組み立てもやはり2時間。今日の時間割は,動作確認20分,分解2時間,洗浄40分,組み立て2時間,修正・調整30分,動作確認20分で約6時間でした。シャープの繊細設計ですので,無事に動いてくれるのが何よりです。

最後にクリーニング前のフィルターお掃除中の写真と,クリーニング後の冷房30度切タイマー運転の様子。

クリーニング前後のエアコン外観

Tさんは,高いのを買ったけどそれほど良くなかったそうで(除湿があまり効かない),今度は安いのを買うそうです。(できたら富士通でお願いします)。T様,長い時間お待たせしました。お茶の差し入れもありがとうございました。当店としても良い経験をさせていただきました。

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