マイスターが教えるものづくり教室

子どもが学校から持ち帰ったパンフレットで,この日は「行こう」と思っていました。イオンモール高崎のセントラルコートで開催される,「群馬のマイスター展とマイスターが教えるものづくり教室」。左官,建具,和裁,造園,表装,板金などで秀でた技術を持つ職人さんが,初めての人でもできる工作を通じて日本のものづくりの良さを体験させて下さる,というものです。

年間を通じてクラブ活動や教室に通っているというのでなければ,土曜,日曜に子どもをどうやって遊ばせるか,学ばせるかは大きな課題です。単純に一緒に遊べばいいのですが,毎回子どもを楽しませるのは難しいと思います。そんなわけで,いろいろなイベント情報にアンテナを張り,参加します。今日は思いがけず家族で親しくさせてもらっているTさん親子に会い,やはり!みたいな感じでした。

Tさんにお聞きすると,お子さんの方が「行きたい!」と言っていたそうですが,我が家では,僕が連れて行ったというイメージです。ですが結果オーライ。息子が気に入った教室には2度行くぐらい意欲的に楽しみました。

最初に楽しんだのは左官屋さんの教室。壁塗りの土をきれいな泥団子に仕上げたものにしっくいを塗り,加工してピカピカに仕上げるという工作です。なんとこの団子1個を作るのに数日かかっているそうです。下準備が半端ないです。手のひらで団子を作るのが最初で,乾き加減を見ながら,小瓶の渕を使って真円に近い球面とすべすべの肌を作るのだそうです。

どろだんご

自分で選んだ泥団子に,まずは白漆喰を塗ります。もらった漆喰をてのひらの中で転がして団子に塗りつけます。サラサラになって貼りつかなくなったら仕上がりです。

白漆喰

次に仕上げの色をもらいます。焼成していない漆喰に水性絵の具を混ぜてあるそうです。同じように手のひらの中でサラサラになるまで団子に塗り込みます。

その後,奥のお子さんがやっているようにセラミックタイルの上で転がします。この工程で不思議なことに漆喰が光沢をもつんです。息子は最初に作り始めた団子を床に落としてしまい,2個目を作っています。咎められることもなく,再チャレンジさせてもらっています。ちなみに落とした団子は僕が磨きました。直径2ミリほどの平らな面ができていますが,それはそれで静止位置ができて良いのです。

仕上げの色

次は表装の職人さんに教わってからくり屏風作り。あら不思議!屏風が縦にも横にも開きます。体験するとわかりますが,凡人にはどうやっても原理が分からず,自分がやっていることにただただ ?マークです。

造園やさんがやっていた文鎮作りも楽しそうでした。息子は関心がなくてやらなかったのですが,キューブ状の石にひもを編んで行きます。関守石がモデルだそうです。飛び石の,この先はご遠慮くださいという場所に置くものだそうです。奥ゆかしいです。僕も文鎮と思って見ていたときはどうかと思いましたが,関守石という伝統に触れて,心を揺さぶられました。「日本っていいなあ」。

もう一度泥団子を体験させてもらい,最後にやったのはコースター作り。建具職人さんの指導によって,一切接着剤を使わずに,細木を組み立てます。両側にみぞの細工がされた3本を基礎として,表裏から3本ずつはめて六角形を作ります。その内側にできた六つの三角形に三本の細工を入れて行きます。これが補強になるらしく,最初の三角は楽ですが,3つ目ぐらいになると,工夫しないとはまらなくなってきます。組みあがるとものすごくしっかりした木組みになります。材料はヒノキだそうで,面を出すためにサンドペーパーを当てると,たまらないいい香りでした。

コースター作り内側に細工していゆく

教えてくれた職人さんたちは,ベテランの方も若い方もみんな優しくて,楽しく体験できました。大人の僕としては,こういう初心者用の工作だけでなく,実際の職人仕事の一部も見たかったです。例えば左官屋さんが仕上げの漆喰を塗るところとか,表装やさんが額を作るところとか,建具屋さんが欄間を作るところとか,造園やさんがしゅろ縄を編むところとか,和裁の職人さんが縫うところとか。現地でしてもらえれば最高ですが,ビデオでもいいですよね。

次の日,作ったものを記念撮影しました。職人さんたちに限りない感謝と敬意をこめて。

記念撮影泥団子からくり屏風コースター

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