洗濯機クリーニング+半日オーダーメイド

K様のお宅は,今年に入って2度目のご注文です。洗濯機のニオイが気になるのでクリーニングしたいというご要望です。幼いお子さんもいれば,洗濯機も気になりますね。実際洗濯槽クリーナーを使って何度かセルフクリーニングしたそうですが,その後からしばらくカスが出て大変だったそうです。

洗濯槽クリーナーは,新品時から月1度ぐらいのペースで使わないと効果がないかもしれません。ほぼ6カ月で洗濯機内のカビの繁殖はピークに達するという実験結果があります。汚れが進行した状態で洗濯槽クリーナーを使うと,カビ汚れをいっぺんに剥がすのが難しく,後から後から剥がれてくるカスに悩むということになります。

当店の観察では,おふろの残り湯を使用する,石鹸で洗濯するという条件が重なると,カビの繁殖が早い気がしています。また,洗濯機の置かれている場所や,普段ふたを開けておくかどうかも重要です。洗濯機のある場所は風通し(あるいは換気)が良い状態にして,普段はふたを開けて内部乾燥させておくのが良いと思います。

その意味では,Kさんのお宅の洗濯機置き場は多少不利かもしれません。洗濯機の幅ぴったりで壁が両側にあります。さらに上に棚板があって,ふたが完全に開きません。簡単に取り外せる棚板自体はとても便利なのですが,あと30ミリ上になれば…。機種によっては問題ないのか,あるいは設計段階で洗濯パンの脚部かさ上げを計算に入れなかったのかのどちらかでしょう。

今回のクリーニング対象は簡易乾燥機能付き全自動洗濯機,東芝2007年製,AW-80VC(W) 分かりやすい設計で,分解組立てとも順調でした。それでも3時間。洗濯機+半日をご提案したのは,1日よりお得だからです。

上の化粧板を外し,念のためふたスイッチ(洗濯槽が大暴れした時に感知する長い棒状のセンサースイッチ)を取り外します。中ぶたやパルセーターが外れればさらにパーツを細かく分解して洗いやすくします。そのクリーニング前後。

洗濯機中ぶたとパルセーターのお手入れ

パルセーターが外れると,洗濯槽(回転する内側の槽)を止めている4本の六角を外します。これで簡単に槽が外れればよいのですが,難しいと思った時はギヤプーラーを使って引き揚げます。わずかでも剥がれれば良いのです。洗濯槽はバランスリング,ステンレス槽,樹脂製底円盤で組み立ててあり,バランスリングが外れるとフィルター部分のパーツが外せます。

8キロ洗いになると,底円盤が外せません。たぶんビスで留めて固定した後に,外周を一回り,圧力をかけてカシメてあるのです。50ミリほどの幅でステンレス槽と重なっているので,この中にも汚れがあるのですが,当店の技術ではここが外せません。三菱製の洗濯機は大きなものでも外せました。メーカーの方には,この部分も外せるように作ってほしいと要望いたします。

そんな底円盤の外側とフィルターパーツ。

洗濯槽の外側とフィルターパーツのお手入れ前後

洗濯槽を取りだしあとの,水をためる外側の槽もお手入れします。東芝にはさらに2系統水路があり,この内側もカビているのでそのお手入れが面倒です。割りばしで延長した歯ブラシでブラッシングして洗い流します。

洗濯機を動かすことはなかなかないので,洗濯パン,排水溝,その周りの巾木,もちろん各種ホースも外側内側を漂白洗浄します。4枚目は今回試して良かったこと。パルセーターのビスは,組みたてるときの扱いが面倒です。山形のパーツを付ける前にわずか噛ませておけば楽です。

洗濯パン,排水溝,ホースもキレイにします

 

洗濯機クリーニングの機材を車に戻し,お昼休憩。午後のフローリング剥離洗浄用の道具を持ちこみます。吸水バキュームとモップが含まれるので結構な量になります。もっともポリッシャーは使いませんし,今回はワックスも塗らないので,床洗浄としては少なめです。

Kさんに去年初めてご注文いただいたときから床は課題でした。ご自身でもワックスを塗ったそうですが,ワックス自体が荒れていて,床の美観についていえば逆効果です。わずかな時間でキッチンカウンター周りを剥離洗浄したら,フィルム系ノーワックスの美しい光沢が顔を見せました。

今回は残りのリビング部分と,玄関までの廊下を剥離洗浄することになりました。キッチンの周りでの感触から,かなり効果があるだろうと思っていましたが,期待どおりでした!(自分で言いますか?

キッチンカウンター前と,その反対側,テレビの方向を窓に向かって撮ってみました。うーん写真よりずっといい感じだったのに。人間の目は非常に精巧な露出補正なので,その印象が伝わらないことがあります。

ノーワックスフローリングの剥離洗浄

こちらの方が分かりやすいかな。廊下からリビング入る部分。そしてこんな手作業で洗いますという作業風景。とても使いやすいスコッチのパッド。青みがかった灰色のワックス溶解液を回収します。

フローリングの剥離洗浄は手作業です

廊下は敷居近くでかなり抱き込みを起こしていました。足跡もあったようです。剥がすとさっぱり艶やか。

抱き込みを起こしたワックスを剥離洗浄

剥がしてみると数か所,部分的に艶が無いところがあります。引き渡し前に行われた補修個所です。うち傷に充填剤を入れ,その周りをいくらか研磨し,クリアーを吹いて目立たなくした部分。剥離洗浄でそのクリアーが剥がされて補修個所が目立ちます。このあたりを含め,将来的に復元が必要になったら,シリコンコーティングするのが良いと思います。お手軽に樹脂系でという場合は,ハイテクフローリングコートでしょうか。

目に見えて変化するお掃除の過程は楽しいです。K様,このたびもご用命ありがとうございました。

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