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シャープのお掃除エアコンクリーニング

先月半ばにメールでお問い合わせくださった小八木町のT様。シャープAY-T63SXのクリーニングのお見積りです。犬を2匹飼っていること,エアコンの冷気がだんだん弱くなって,ほとんど出なくなったこと,電気屋さんに見てもらって,しっかりしたクリーニングが必要と言われたことなどがとても丁寧な文面で書かれていました。

僕はファンがホコリで埋まっているんだな…と考えました。

シャープのお掃除エアコンの料金でお見積り,日程調整をして本日伺いました。お電話すると,職場からTさんが駈けつけて下さいました。近くで自動車整備工場を経営されているんですね。

エアコンはリビングの窓側壁面に露出配管で設置されています。広い作業面積があります。

ワンちゃんはフレンチブルドック。知らない人が来たので騒いでいます。私どもの仕事に差し支えのないようにと,朝方公園に連れて行きかなり運動させたそうです。でも最初の30分ぐらいだったでしょうか,だんだんおとなしくなり,午後などは独特の呼吸音だけでした。

お昼休憩で出かけるときのためにと鍵,終了後に立ち会えないかもしれないとお支払い,ポットに用意された冷たい飲み物,お忙しいところ,細やかなお気遣いありがとうございます。お部屋もお掃除と整理が行き届いていて,お子さんもいるのにえらいなあと思います。

Tさんは,当店のホームページを良く調べてくださったらしく,「いっぱい写真を撮ってください」。今日は多めに掲載します。

さて,エアコンです。スイッチを入れると3枚のルーバーが複雑に動き始めます。この時点で分解組立てが面倒だろうなと思ってしまいます。シャープ2006年製,確かに風が弱いですが,ファンがホコリで詰まっている感じは全くありません。

この型式はフルカバー化粧板で,内部はドレンパン一体成型です。配線の取り回しは複雑で,特に基盤と本体の狭いスペースの納めが厳しいです。化粧板を外すためには,3枚のルーバーのうち下の2枚は外した方が良く,まず左右風向き板を固定している3本のビスからはじめます。

基盤ボックスは,下側から2本のビスで固定しています。そのうちの1本が長めなので,緩めただけでは外れてくる気がしません。これが分かるまで時間がかかりました。

製造段階でも苦労するのでしょう,化粧板を外すと配線をかなりの量のテープで押さえこんでいました。例えば基盤周り。

左右の連絡通路。ここを上下に線が這っています。スペースは限られているうえ,収まっている液晶表示板などもしっかり抑え込む構造はなく,イメージとしては「化粧板で隠しちゃえ」という感じです。

そして換気ファンのある左側。

換気ファンまでつながったままの基盤が外れ,モーターとクロスフローファンも外れました。ここまで来ると,壁掛オーバーホール(背抜き)にしたくなります。冷媒配管は乳白色の柔らかい樹脂で抑えているだけ。その部分と,熱交換器を固定しているビスの2本を外すと右側も浮きます。

というわけで,熱交換器だけになりました。ここからはビフォーアフターでお送りいたします。

お掃除ロボットです。弟がしばらく考えて,フレームだけの洗える状態にしました。洗浄後写真は,すでに組立てが済んでいます。シャープのお掃除機能は,フィルターを回転ブラシに当てるためにフィルター自体を上げ下げするという作りです。フィルター昇降と,回転ブラシのために左右で4個のモーターを使い,フィルターが戻ったことを感知するセンサーが仕込まれています。

フィルターお掃除ロボットも,お手入れが必要です。これが付いているために,熱交換器を洗うという本来のエアコンクリーニングが極端に面倒になります。僕は,フィルターお掃除機能の付いたエアコンの製造をやめた方が良いと思っています。

外れたドレンパン一体成型のボディー。まずはモーター側からのアングル。

現在のエアコンは熱交換器が逆V字型です。ドレンパンには水を導くために樹脂板が付いていることがあります。この写真のファンの上側に当たる白い部分には壁側の熱交換器がはまるようになっています。このあたりは壁についている状態では洗いにくい,いえ,洗えない場所です。

そのあたりを考えて撮ってみたのが,洗浄後ですがこの写真。エアコンクリーニングは正面から高圧水流を当てます。ドレンパン一体成型のエアコンがどれだけ洗いにくいかイメージしてみて下さい。そして,壁掛オーバーホールで洗うことで汚れの取り残しがなくなり,こうして組みたった後のさわやかさ。

さわやかでなかったのは,組み立てです。苦心して基盤ボックスを収めて,化粧板をはめ,試運転。

ルーバーの動きが異常です。

いろいろ探って,ルーバーモーターが入れ替わっていることにたどり着きました。一番下はカバーが無いのでモーターに付けたマークで間違いません。ですが上と中のモーターに,マークを付けたのがカバーで,カバーが外れた状態では区別がつきません。配線のくせを考えて選んだのですが,逆でした。基本的なミスです。

そんな修正が終わって,試運転で動作チェック。風量が明らかに違います。冷えてます。弱暖房に切り替えて,報告書兼領収を書いているとTさんが来て下さいました。グッドタイミングです。

犬を飼っていると,特に夏の冷房は重要ですよね。今年は快適にお過ごしいただければ嬉しいです。T様,このたびのご用命ありがとうございました。

今日は外に出ると日差しが暑いのですが,風通しのいいお部屋で汗をかくこともなく作業できました。エアコンクリーニング,特にお掃除機能付きなどは,涼しくて落ち着いて作業できるときにさせてもらえるとありがたいです。今日の成績,作業時間6時間半。分解2時間,組みたて・修正に2時間30分。

ryo:
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