2010年製シャープ洗濯機の分解クリーニング

先月末メールにて,箕郷町白川のY様から,洗濯機と浴室の部分的なクリーニングについてお問い合わせがありました。「洗濯機(SHARP ES-TG830)の分解掃除と浴槽(TOTOシステムバス sazana)のエプロン裏の掃除のお見積りをお願い致します」。

洗濯機の分解クリーニングでは,外したパーツを漂白剤で洗いますので,エプロン内のクリーニングは相性が良いです。エプロンを外して排水をふさぎ,しばらく漬け置きすれば汚れ落としと除菌消臭には効果的です。そんなわけで,洗濯機3時間,浴槽下30分で約4時間ほどの作業,そして料金を見積りました。

そして今日敬老の日のご予約となりました。

Y様のメールアドレスから,会社や工場をイメージしていました。ナビではご住所にたどり着けず,それらしい建物がありません。お電話すると,新しい住宅から携帯を片手にYさんが手を振って下さっています。失礼いたしました。

玄関のタイルがまっ白で,とてもキレイに管理されています。洗濯機まで案内していただくと,これまたキレイで汚れが見当たりません。糸くずフィルターや柔軟剤ケースは外してあり,洗って真っ白な状態で乾燥させてあります。そしてお風呂がまた…4年お使いとのことですが,信じられません。床は(汚れが無く)真っ白,浴槽ヘリはつるつる,鏡は透明,カランもピカピカです。

通常は洗濯機のパーツを浴室で洗うのですが,今回は外に運び出して洗うことにしました。洗濯機ごと運び出すのがベストですが,動線を考えるとそれもまたリスクが大きいです。洗濯機本体は脱衣所を使います。

エプロンですが,下側に手をかけるへこみが3か所あります。かなり力を入れましたが外れる感じがしません。エプロンにも「外さないでください」とあり,持ってきてくださった説明書にも「業者のメンテナンス以外は外さないでください,故障?や漏水の恐れがあります」。Yさんのお話では,湿度の高い時期など,ニオイを感じることがあるそうなのですが,この感触では浴槽下には水がたまらない設計になっていると思います。当然浴槽自体もしっかり断熱されていて,床面がカビないようになっていることでしょう。ニオイは別の原因ではないかと思われます。何よりも,無理して外して壊すことは避けたいです。

ということで,洗濯機だけを洗うことにしました。

さて僕の記憶では,シャープ製洗濯機の分解は初めてです。エアコンや空気清浄機などのこれまでの感触から,シャープ製家電は分解しにくいイメージがありました。今回はどうでしょう?

ちょっと?が付いた部分。

1.上側の化粧板を浮かすのに配線の遊びが足りず,結束バンドを5本ぐらい切る必要があった。2.中蓋に温度センサーらしきものが固定されていた(これも結束バンド1本使用)。3.洗濯槽下のウエイト板が洗濯槽側からビス止めされている。4.さらにその下に下向きのカップがあり,その固定にプラスティリベットを使っている。

3と4については,ほとんど汚れが見受けられなかったので分解は要らなかったかもしれません。隙間に汚れが入り込んでいたらと思って外したのですが,復元はやってみると結構難しいです。プラスティリベットがうまく戻せない場合は,M4×15ぐらいのねじとナットが必要かもしれません。カップ自体は洗濯槽を固定するビス4本が効くので,その時点まで場所を保持すればよい構造です。

ですが,シャープの洗濯機っておススメかもと思いました。プラズマクラスターや銀イオンは,他のメーカー製でもそうですが,ほとんど意味はありません。それで汚れを防げるってことはないと思います。ですが洗濯機の基本的な作りという意味で今回のシャープは良かったのです。

まず,ビスが良質なステンレス製で,ワッシャをかんでいたこと。単価の高い部品を使っています。

そしてこれが最大の点ですが,洗濯槽が底までとても滑らかなステンレス製だということです。この洗濯槽は,かなり高級なつくりだと思います。昔のサンヨーのように1枚をプレス加工したものではなく,胴部分とプレス加工の底板をかみこんでつなげてあります。胴部部分に穴なし,底面は厚手のステンレスでほぼ凹凸なしです。あっという間にキレイになります。

ほとんどのメーカーがステンレス胴に樹脂製の底円盤をビス固定しています。さらに側面でかみこんでいるので底円盤が外れず,重なる幅の部分に汚れの取り残しが出ます。さらに樹脂の強度を上げるために細かいセル構造があり,入り込んだ汚れを完全に取り除くのに手間がかかります。なぜ底までステンレスで作らないか…安く作るためでしょう。

もう一つ,洗濯機クリーニングに有利な設計がありました。通電していない場合,本体は常時排水なのです。本体の槽を洗う場合,通常は排水されず,弁を指で押したり,通電して「排水」させる必要がありますが,このシャープ製は,洗うそばから流れて行ってくれます。いいですねえ!

とは言え,外見は美しかった洗濯機も,見えない部分は汚れていました。Yさんはご夫婦で衝撃を受けたとおっしゃっています。それでも外してしまえばさっぱりキレイにできます。

シャープ製洗濯機の分解クリーニング

無事に組みたても終わり,試運転してお引き渡しです。Yさんが外側までキレイになった気がするとおっしゃるのですが,それは気のせいだと思います。でもそう言っていただけると嬉しいです。このたびはお役にたてて良かったです。Y様,ご用命ありがとうございました。

加筆

晩になってから,メールをいただきました。「とても丁寧な清掃,本当にありがとうございました。想像はしておりましたが,『衝撃的な汚れ』と『清掃後のキレイな状態』を目にしまして,お願いしてよかったと思っております。

浴槽エプロンは残念でしたが,今後は洗濯機含め、他の部分も定期的にお願いしたいと思っております。

これからもよろしくお願い致します」。

嬉しいメールです。わざわざありがとうございます。それにしてもYさんのお宅,お掃除が必要な場所があるのでしょうか。

4 Responses to “2010年製シャープ洗濯機の分解クリーニング”

  1. りこ より:

    店長様、はじめまして。
    プラスティリベットについて調べていて、こちらのページたどり着きました。シャープ2002年製ES-D55Sの分解で、名前がわからない黒く丸いピンのような部品(プラスティリベットというのですね)の外し方がわからず無理に引っ張ってダメにしてしまいました。ブログの真ん中あたりで書かれている【ちょっと?が付いた部分】のお話の4つ目の項目、《下向きのカップ》は家の洗濯機では見当たりません。家の洗濯機は、こちらのページの清掃後の画像右下と同じようにシャフトの周りに6つの穴、その外周にドーナツ状の黒いパッキン、その上に黒いウエイト板、その上にまた細い大きい輪の黒いパッキン、その上が脱水層、あとはボルト4つとプラスティリベット2個で固定になっています。この場合のプラスティリベットは洗濯層側からウエイト板を固定していると考えてよいでしょうか?洗濯層を外す前にダメにしてしまったので、どのように固定されていたのかわからず、また、洗濯層とウエイト板はボルト4つで固定されているのだから、プラスティリベットはいらないのではないか?と思うのですが、教えていただけると助かります。よろしくお願いします。

    • ryo より:

      シャープの洗濯機はこれが初めてでした。ので、アドバイスできるほどの立場にありません。

      ご推察の通り、プラスティリベットは洗濯槽を固定するまで、関係するパーツの位置決めに使われていると思います。

      どうしても気になるようなら、適当なサイズのボルトとナットを使ってパーツを組みあわせてから、洗濯槽を固定すれば良いと思います。

      最初にお断りした通り、その立場にないので、これ以上はお答えのしようがありません。

  2. りこ より:

    ryoさん

    お返事ありがとうございました。
    十分参考になりました。

    • ryo より:

      りこさん,

      本当に参考になったかは別として,返信ありがとうございます。あなたの礼儀を感じます。

      僕はオールマイティではないのです。自分の知る限りの情報を発信し,誰かに役立ててほしい。もし,今回の情報とやり取りが今後の役に立てばと願うのみです。

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