X
    Categories: 修理

エアコン修理2例

分解型のエアコンクリーニングをしていると、このパーツを交換すれば正常動作に戻るのではないか?と試してみたくなることがあります。

もちろんメーカーに頼むのが一番安心です。複数の原因を想定しますから、当該の部品だけではなく、周囲の組み立て品や制御基板を持ってくるので、ひとつ変えただけでは直らない場合でも対応できます。また、同様の故障に対する1年保証も付いてくることが多いです。

メーカーの場合、安全策を考えてのことだと思いますが、悪いパーツだけでなく、その周りをごっそり交換するというケースも目立ちます。例えばパナソニックのお掃除エアコン、排気ファン故障。

2023年末のことでしたが、当店のクリーニングが引き金を引き、排気ファンが異常動作するようになりました。本来ならフィルタ―の移動とセットで排気ファンが回り始め、しばらく高回転します。ところがリミッターが信号を検知すると、回転が息継ぎします。最高回転になった途端モーターが止まって停止、また回転を上げていく動作を繰り返し、タイマーランプ点滅です。エラーコードはH50。

当時メーカーに修理をお願いして、修理代5万円ちょっと。お掃除ユニットと制御基板の交換をしたと報告がありました。

という勉強があって、先月末に同じ症状の出ていたパナソニック機の排気ファンを交換してみました。お客様の話では、いつの頃からか排気ファンの回転がおかしくなって、タイマーランプ点滅するようになったそうです。そのたびにリモコンからリセットをかけるのでリモコンの時刻設定も消えてしまい、24時間タイマーが使えなくて不便していたとのこと(涙。

排気ファンというのはこんな小さな部品です。

パナソニック、ダスト排気ファン

石井さんに取寄せてもらって、排気ファンのみ、部品代は3,300円。新旧交代。

排気ファン、新旧交代

よっぽどホコリが詰まっているかと思ったらさにあらず。

排気ファン内部

モーター側のカバーを外すと、錆が感じられて、これは漏電やショートサーキットで変な信号が出てしまうかもという表情。あるいはメカ的問題で、回転軸にいくらか抵抗が増え、モーター異常を検知することも考えられます。そしてファン側の丸いシールを剥がしてみたのですが、ファンはナットで固定しているのではなく、軸の突起にカチッとはめてあり、外して洗うことは想定されていないようです。

錆びている

さて、ファン交換で改善したでしょうか? 後日お客様から、それ以来問題なく動いていると嬉しいお知らせがありました。もちろん工賃をいただいての修理作業でしたが、部品代3,300円ですから5万円超なんて言うことにはなりません。

もう一件はシャープの上下風向き板(ルーバー)動作不良に関わる修理です。

お部屋の作りの関係で、普段スイングでお使いなのですが、明らかに動作不良です。わずか上下に動きますが、風向きを変えるほどではありません。そしてスイッチオフしても閉まらない。

ルーバー動作不良

ルーバー側の軸受けの破損であれば、そこをちょっと細工すれば直ります。ですがこの分はルーバーに問題はありません。モーター内部の破損です。

室内機銘板、モーターの銘板の写真を撮っておきます。室内機銘板を取っておくといいのは、製造番号の照合もあるからです。

モーター銘板

お店の方と予定をすり合わせて、モーター交換。シャープはビス2本でモーターを固定しているので、ルーバーは触らずにモーターだけ脱着できます。(他のメーカーのように片方がはめ込みでビス一本で固定の場合は、ルーバーを外し、モーターを脱着し、再度ルーバーをはめ込む必要があります)。

ルーバーモーター、新旧交代

これもメーカー修理だと18,000円~ですが、3,000円ちょっとで取寄せられるモーターと出張修理代ですからかなりリーズナブルになります。エアコンクリーニング時の交換なら、部品代だけでOKです!(このモーターが3,000円は高い気もしますが)。

帰って来てから、モーターの中身を見てみました。中心の白歯車がモーターで動くと、左下から組み合わさった2段歯車が反時計回りに回転を伝えていき、一番上の駆動軸を回すようになっています。駆動軸に一番近い歯車2つが破損していました。たぶん、ルーバーをグイって開けたのでしょうね。

ルーバーモーター内部

小さな部品ですし、グリースにまみれているので見えにくいですが、この2つが明らかにおかしかったです。

内部歯車の破損

モーターが新しくなると、しっかりスイングするようになり、スイッチオフでしっかり閉まるようになりました。めでたしめでたし。

ryo:
Related Post